人材を採用するのが難しい昨今中小企業にとっては特に難しい問題かと思います。巷ではあれやこれやと採用のノウハウが紹介され人材サービスは世の中に溢れかえっています。
ただ採用するうえで大切な観点が抜けていることが多いです。それは受け入れる態勢を整えることです。
考えてみてください。求人サイトにお金を掛けたりノウハウを手に入れて応募者が集まったとします。その応募者たちを入社させて活躍させるところまでイメージが出来ているでしょうか?
実際にあることですが会社説明会や体験実習に来てくれた応募者に何の準備もなく行き当たりばったりで接してしまい良さそうな応募者に辞退された残念な例は数知れずあります。何ともったいないことでしょうか・・・
どんなに立派な採用に導線を作ったとしても応募者は去っていってしまうでしょうね。それならまだしも良くない評判が立ってしまう恐れさえあります。せっかく人材に投資した予算も投資効果が薄れてしまいますよね。それが仮に優秀な応募者であればあるほどリスクが大きいのです。
是非、憶えておいてほしいことがあります!
貴社が仮にリーダー候補や幹部候補生を採用する計画を立てていたとします。求める人物像としては比較的優秀な人材を求めることになるでしょう。
ただ優秀な人材は必ず他社と比較検討して就職活動をしています。貴社の対応が良くない場合のリスクは現場社員を採用するよりはるかに大きくなることを理解しなければなりません。採用側と応募者側が接触する機会は採用側が応募者を見定める機会ですが同時に応募者にとっても会社を見定める機会なのです。
では具体的にどのような態勢を整えておけば良いのでしょう。ステップ1から順にみてゆきましょう。ステップ1は難易度が低く、絶対にやっておく項目。以降は難易度があがって、やることをお勧めする順になります。中小企業であってももちろん全て整っていればそれだけ応募者の評価は高くなります。
ステップ1. 採用のタイムスケジュールと担当者を決めておく
・会社説明会や体験実習の詳細を決める
・面接など応募者が来社する時のタイムスケジュールと担当者を決める
・考えられるイレギュラーなシナリオを想定する
ステップ2. 会社を説明するための資料を準備しておく
・パソコンでスライドを作成し担当者が説明出来るようにしておく
・手渡し出来る紙資料を作成する
・会社概要会社の歴史事業内容
・入社後して欲しい業務内容
・会社の未来について
ステップ3. 入社後の育成方針、キャリアステップ
・少なくとも入社1年以内に、どのような育成方針やプログラムがあるか
・3年後、5年後にどのようになれる可能性があるか
・そのためにやるべきことは何か具体化する
・必要なスキルや資格を明確にする
ステップ4. 社内の教育担当者について
・新人の教育を誰に任せるのか
・いつまでに何を教えるのか
・どのようにフィードバックするのか
・教育担当者の教育方法
ステップ5. 経営幹部との面談
・いつ、どのようなタイミングでどんな話をするのか
・何を基準に判断をするのか
・新人の意欲を上げる面談を心得ているか
ステップ6. 人事評価制度について
・評価項目、評価基準、は整っているか
・人が育つための人事評価制度になっているか
・育成担当者や上司にも扱いやすい制度であるか
上記の6つのステップを見た時、少々面倒だと思われる方もいると思います。ただ昨今、手っ取り早さや分かりやすさという価値観がもてはやされる時代。「人」に関わることがそのような価値観で経営判断されることに私は違和感を感じています。採用や育成については多少面倒であっても、より丁寧に制度設計することが成功への近道であることを理解することが重要です。
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